【ネタバレ】装甲騎兵ボトムズOVA【赫奕たる異端】
「オデの(誰のだよっ!)フィアナが死んでしまった〜」
ショックから少し立ち直り、本日OFF日だったので改めて【赫奕(かくやく)たる異変】を1巻から見通す。
実は前回、あまりの忙しさ故に1巻目を10分観てから5巻目を観るという反則を犯し、その罰かフィアナが死んだショックで発熱してしまったのだが…。
通してみると叙情的でとてもよかった。【ペールゼンファイルズ】と真逆なので評価が分かれるところだろうが、キリコのフィアナ以後、以前と思うと私的には道理に適っておりどちらも好き。
フィアナが冷凍ポッドで逡巡するシーンで泣けてしまう。すごい愛だわ、もうアガペーの領域。自分の寿命にキリコを巻き込むより、たとえ修羅の道行きでもキリコの未来を奪いたくないという愛は、その直前の満たされきった「幸せ…」というつぶやきのあとに出てくるのだから切ない。
ロッチナがラストでつぶやく通り、『触れざる者、赫奕たる異端、唯一キリコをコントロールできる者』はフィアナだったんだなと。
なので最初観た時、フィアナが死んだ後のキリコはどう生きていくのかがまったくわからなかったのだけれど、二度目にしてこの物語は
『キリコに未来を与えたいというフィアナの意志の物語』
だということに気がついた。だからキリコは前に進む、進めるのだ。
キリコによって自我を与えられというフィアナだがキリコもまたフィアナによって自我を与えられた。だから彼女はキリコの恋人以上に母なのだ。そしてこの世界に真にキリコを生み落とす作業がこの物語のテーマだと思う。
ひやや…それにしてもキリコは真面目な意味で『希代のドMヒーロー』だ。だって異能生存体といっても単に死なないだけで、刺さされれば痛いし、やけどだって負うし、もちろん骨折や内蔵破裂するし、高熱は苦しい。心臓だって何度止まっているんだよ。常人より回復が早いというだけで痛みだけは変わらないのだ。それでも一度として自ら死のうとはしないこの男は【時に利己的に、時に利他的に生き残るために環境すらも変える遺伝子】を持っているだけでは説明がつかない。
【赫奕たる異端】ではあたかもカトリックのような『マーティアル』という巨大な宗教が法王を掲げ、まるでバチカン。舞台背景は法王選定の『コンクラーべ』のよう。しかし、武力による秩序を掲げる、この教団には実はまるで信仰というものがない。神が不在。(案外、現カトリックと同じかもしれない)
その舞台の中で淡々と殉教者のように死ぬ事のできない痛みに耐えながら生きる事を選択する。というより生きる事を疑わないキリコに却って哲学的、宗教的な真理が見えるのは高橋良輔監督の狙いなのか偶然なのか……。
ともあれこの物語が94年作。新作、【ペールゼンファイルズ】が昨年。お願いですから高橋監督&脚本の吉川さん、『キリコの存在意義』の謎を解ききるまではお元気でいてください。でないと私も死ぬに死ねません〜〜〜〜。

ショックから少し立ち直り、本日OFF日だったので改めて【赫奕(かくやく)たる異変】を1巻から見通す。
実は前回、あまりの忙しさ故に1巻目を10分観てから5巻目を観るという反則を犯し、その罰かフィアナが死んだショックで発熱してしまったのだが…。
通してみると叙情的でとてもよかった。【ペールゼンファイルズ】と真逆なので評価が分かれるところだろうが、キリコのフィアナ以後、以前と思うと私的には道理に適っておりどちらも好き。
フィアナが冷凍ポッドで逡巡するシーンで泣けてしまう。すごい愛だわ、もうアガペーの領域。自分の寿命にキリコを巻き込むより、たとえ修羅の道行きでもキリコの未来を奪いたくないという愛は、その直前の満たされきった「幸せ…」というつぶやきのあとに出てくるのだから切ない。
ロッチナがラストでつぶやく通り、『触れざる者、赫奕たる異端、唯一キリコをコントロールできる者』はフィアナだったんだなと。
なので最初観た時、フィアナが死んだ後のキリコはどう生きていくのかがまったくわからなかったのだけれど、二度目にしてこの物語は
『キリコに未来を与えたいというフィアナの意志の物語』
だということに気がついた。だからキリコは前に進む、進めるのだ。
キリコによって自我を与えられというフィアナだがキリコもまたフィアナによって自我を与えられた。だから彼女はキリコの恋人以上に母なのだ。そしてこの世界に真にキリコを生み落とす作業がこの物語のテーマだと思う。
ひやや…それにしてもキリコは真面目な意味で『希代のドMヒーロー』だ。だって異能生存体といっても単に死なないだけで、刺さされれば痛いし、やけどだって負うし、もちろん骨折や内蔵破裂するし、高熱は苦しい。心臓だって何度止まっているんだよ。常人より回復が早いというだけで痛みだけは変わらないのだ。それでも一度として自ら死のうとはしないこの男は【時に利己的に、時に利他的に生き残るために環境すらも変える遺伝子】を持っているだけでは説明がつかない。
【赫奕たる異端】ではあたかもカトリックのような『マーティアル』という巨大な宗教が法王を掲げ、まるでバチカン。舞台背景は法王選定の『コンクラーべ』のよう。しかし、武力による秩序を掲げる、この教団には実はまるで信仰というものがない。神が不在。(案外、現カトリックと同じかもしれない)
その舞台の中で淡々と殉教者のように死ぬ事のできない痛みに耐えながら生きる事を選択する。というより生きる事を疑わないキリコに却って哲学的、宗教的な真理が見えるのは高橋良輔監督の狙いなのか偶然なのか……。
ともあれこの物語が94年作。新作、【ペールゼンファイルズ】が昨年。お願いですから高橋監督&脚本の吉川さん、『キリコの存在意義』の謎を解ききるまではお元気でいてください。でないと私も死ぬに死ねません〜〜〜〜。







